ファーハディアン家の原点 タブリーツ
タブリーツ・ペルシャ絨毯からギャッベ への変遷
現在も、1万軒を超える小さな商店が立ち並ぶタブリーツバザールの中にファラジ氏の父が営んでいた小さな店が残っています。
ここを拠点に、タブリーツをはじめ南部のブカンやビジャー、サナンダッシュといったペルシャ絨毯の名品を西欧へ輸出していたのが、ファーハディアン家のルーツ。
その古い時代からクルデスタンの羊毛の品質に一目置いていたことが、現在ファーハディアン・プレミアムギャッベがこだわりの羊毛をクルデスタンに求め、独自のオリジナリティを持つに至る大きな鍵を握っているのです。
ファーハディアン当主・ファラジ氏
織り手の誇りを尊重し、世界基準で通用する「新世代のギャッベ」を築く
カシュガイ遊牧民の生活民具として歴史を歩んできたギャッベ。
素朴で粗粗しい風合いのギャッベを、「糸・染め・織り」、その全てにおいて、「最高であること」を求め、世界基準で通用する新時代のギャッベへと高めてきたのが、ファーハディアンの当主、ファラジ氏です。
ファーハディアンの家系をたどれば、イラン北西部、堅牢なペルシャ絨毯の産地として有名なタブリーツにいきつきます。現当主のファラジ氏は、1965年イランからドイツに渡り、伝統的なタブリーツ絨毯を商っていました。その当時、世界中の絨毯の最高峰であるペルシャ絨毯に比べ、ギャッベはどちらかと言えば、格下の扱いでした。
しかしファラジ氏はそのギャッベの持つアート性に気づくと同時に、カシュガイ族の人々の素朴で正直な人間性に惹かれていきます。
ギャッベ絨毯商としては四半世紀のキャリアしかないファーハディアンですが、これまでペルシャ絨毯で培ってきた「糸、染、織り」の品質へのこだわりを、カシュガイの人びとに伝授しています。